静かな町
It is not length of life, but depth of life.重要なのは人生の長さではない。人生の深さだ。

静かな町

カナダで住んでいる静かな町。バンクーバーと州都ビクトリアのほぼ中間に位置する。穏やかな地中海性気候に恵まれ、広々とした農地、起伏に富んだ丘の森、様々な湖、小高い山々、そしてたくさんの洞窟やビーチがこの島の特徴である。

陶淵明

  結廬在人境  廬を結んで人境に在り

  而無車馬喧  而も車馬の喧しき無し

  問君何能爾  君に問ふ何ぞ能く爾るやと

  心遠地自偏  心遠ければ地自づから偏なり

  採菊東籬下  菊を採る東籬の下

  悠然見南山  悠然として南山を見る

  山氣日夕佳  山氣 日夕に佳く

  飛鳥相與還  飛鳥 相與に還る

  此中有眞意  此の中に眞意有り

  欲辨已忘言  辨ぜんと欲して已に言を忘る

小さな庵を結んで人里に住んでいるが、役人どもの車馬の音に煩わされることはない、どうしてそうしていられるかと問われるが、心が俗事を離れていればおのずから僻地にいるかのような境地に達するものだ(車馬:ここでは役人の乗り物の象徴)

東側の垣根の下で菊の花を採り、悠然として南山を見れば、山の気配は朝な夕なに良く、鳥どもがねぐらへと帰っていく、この中にこそ人間のあるべき真の姿がある、そのことを言葉にしようとしたが、もうそんなことはどうでもよい

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白楽天

  江南好      江南好し

  風景舊曾暗    風景 舊(も)と曾て暗(そら)んず

  日出江花紅勝火  日出でて 江花 紅火に勝り

  春來江水緑如藍   春來って 江水 緑藍の如し

  能不憶江南     能(よ)く江南を憶はざらんや

江南はすばらしい、その風景はずっと心に焼き付いている、日が出ると川辺の花は日よりも赤く、春が来ると水面は藍のように青くなる、どうして江南を思わずにいられようか

  唯有春江看未厭  唯だ春江の看れども未だ厭かざる有り

  縈砂繞石淥潺湲  砂を縈(めぐ)り石を繞って淥潺湲たり

暑さと涼しさ、朝と夜とがこもごも移り変わり、忠州に来て、あっという間に二年たった、部屋を閉めてはただ聞く朝晩の時報の鼓、楼に上っては空しく望み見る往来の船(炎涼:暑さと寒さ、昏曉:夕方と朝方)

鶯聲に誘われて花の下に来り、草の色に引き留められて水辺に座す、春江はいつ見ても飽きることがない、砂をめぐり石をめぐって緑の水が流れている(句留:引き留める、潺湲(せんえん):水が流れるさま)

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 江南好      江南好し

 江南好      江南好し

湖上春來似畫圖  湖上に春來りて畫圖に似たり

湖上春來似畫圖  湖上に春來りて畫圖に似たり

天道酬勤 天は自ら努力する人に助ける